マニュアルを破り捨てよう。
多くの親は、自分が受けた教育と同じ教育を子供に与えるべきだと考えている。とても自然な考え方だけど、この四半世紀で世界でどれだけ変わってきたのかを無視している。初来日の頃は洗濯機や電話、テレビを自分の手で何回も修理したことがある。ねじを外して中を覗けば何がどんな働きをしているのか判ったからだ。しかし今の機械はチップによってブラックボックス化されている。このボタンを押せばこう動く、などと記載した分厚いマニュアルがついている一方、機械の中では具体的に何が起こっているのか、設計した専門家さえ部分的にしか把握していない。
世の中にはマニュアル的な人間が増えている。たくさんの知識を暗記させる早期教育も、この風潮を助長している。ALGOクラブでは遊びながら、発想することや考えることの大切さを教えている。戦略的に学ぶこと、考えながら行動することこそ、過剰競争の渦中である日本社会で生きる上で最も重要な智慧ではないだろうか。